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  3. NO.1 ソフトバンクBB株式会社 人事総轄部 総轄部長 甲田修三氏

すべては自分の責任。
その思いで人生が変わる。

甲田修三 氏
ソフトバンクBB株式会社 人事総轄部 総轄部長
甲田修三氏
Q.「肉屋のせがれ」の意地
実家は自営業で親戚も自営業という環境でした。家を継ぐのが当たり前という親でしたから、高校や大学に行く必要はない、という考えでした。もちろん、勉強しろ、と言われたことはありません。親の反対を押し切って、東京の大学へ進学しましたが、自分で行くと言った手前、入学金以外は自分ですべて稼ぎました。
長期休みは観光地でずっとアルバイトをし、学費や生活費を稼いだのです。男の意地ってやつですね。ただ就職するときは地元(九州)に帰ってあげようと考えていました。それがせめてもの親孝行だと思いましたから、ただ、自営業を継ごうとは思わなかった。長期の休みも取れないし、実際に家族で旅行したことすらなかったので、子供心にサラリーマンに憧れていました。そこで、地元の大手家電量販店に入社しました。がむしゃらに働きましたね。同期としてはトップクラスの速さで、4年目で店長候補になりましたが、そんな時に真剣に将来のことなど考えたりもしました。今よりもっと自由に仕事をしたいという欲求も出てきました。
そう言うときは、すべてがマイナスに感じてきてしまうもので、今の環境を早く変えたいと強く思うようになってしまった。そんな時、たまたま友人が日本ソフトバンク(現:ソフトバンク)を知っていて、「面白い会社だよ」と聞き、魅力を感じて転職をしました。PAGE TOP
Q.ソフトバンクに入社して
甲田修三 氏最初からいきなり担当をもたされました。でもパソコンのことがよくわからなく「MS-DOSって何ですか?」ってお客様に質問して、「何もわからないのか」とあきれたお客様から会社に電話をされたこともあります。それが悔しくって、仕事が終わった後、自宅で毎日夜中の3時まで勉強をしました。そのなかでもリレーショナルデータベースのことを独学で身につけました。素人の自分にはいきなり難しいソフトウェアでしたが、どうせ身に付けるんだったら、社内でまだみんなが使いこなせていないソフトがよいと思いました。
時間的に遅くまで働いていると思われるかもしれないが、正直、量販店時代に比べると精神的にも肉体的にも自分にとって楽だったように感じた。充実していました。また、私が感じたところでは、当時のIT業界は計数に弱かった。お客様の店舗に伺い「このフロアの利益はどうやって出すのか?」というのを分析するところから始めました。これを自分自身の強みとして、活路を見出した。今風に言えば、ソリューション提案を積極的に行ったわけです。前職での店長経験がここで役立ちました。PAGE TOP
Q.仕事の基本は「安楽早正」
自分が担当になったものは、がむしゃらに勉強すべき。自分がAVの担当になったときは相当勉強したし、技術者にも多くのことを聞いた。そうすれば安心して仕事ができる。言葉についていけるし、発想にもついていけるので、自信が持てる。業界や役割によっても違うが徹底的に「凝る」ということが飽きっぽくてもよいと思う、でないと楽しくない。自分は元々営業でやってきていることもあり、情報を多くつまむことが大切だと考えます。
また、「仕事のために生きているのではなく」「楽しく生きるために仕事をする」私の基本は「安楽早正」なんですよ。「安全に楽に楽しく、早く、正確に」そのために努力すればよい。
コツは考え方です。「仕事を押し付けられているとか、なんでこんなに難しい仕事をしなくてはいけないか」と嘆くよりも、それをいかにスムーズに簡単に終わらせるかの発想で考えます。話しているところから頭の中で図をえがく。それは成功するためではなく、自分が楽になるため、早く帰るためです。同じ仕事でも残業する人間と早く終わった人間がいたときにどちらも褒めてあげたいが、どちらを評価するかといえば、早く帰った人だと私は考えます。PAGE TOP
Q.私の生き方のコツ
私は、プライベートと仕事はきちっと分けるように心がけていて、それが私の生き方のコツですね。「遊ぶときは遊ぶ」です。最近は家族と一緒にいることが楽しみで、土日はガーデニングをすることも多いです。夢のような家庭にしたく、犬がゴールデンレトリバー、車がボルボ、キャンプ用品があって、イングリッシュガーデンがあって……。でも土日にそばにいるのは犬だけなのですよね(笑)
私自身、周囲には、仕事人間という印象を与えているようですが、プライベートの充実こそが基本ではないでしょうか。勿論、仕事は仕事で、やるとなったらこれ以上やることがないくらいやります。出世を狙う気持ちからではないのです。心配性で早め早めになんでもやり、後半をゆっくり過ごせるような仕事の仕方をしたいと思っているのです。今の環境は、全部任せてくれます。だからやりがいもあるし、徹底的にやってみようといつも思います。本音をいえば、金曜日夜遅くまで頑張るのは、土日に休みたいからなんです。PAGE TOP
Q.仕事の裏テクニック
実は「どうでもいいや!」と思うことなんです。
勿論、「自分がきちんとやっているのだから何か言われても言い返せる」と思えるくらいの努力と行動をすることが大前提です。そうすると誤解されたり、文句を言われたりしても、(どうしよう……)と落ち込むのではなく「どうでもいいや」と、いい意味で開き直ることができるのです。また、開き直り方にもコツがあり、開き直っていてもそれほど批判されたり嫌われたりしないためには、相手とのコミュニケーションの取り方を工夫することです。コミュニケーションの取り方次第で、相手に与える印象がまるで違ってきます。仕事をうまく乗り切るためにもコミュニケーションはとても重要と心得るべきです。
また、大切なことは、自分を変えないと駄目だということです。相手を変えるのではなくて。自分を変える、提案のしかたを変える、上司に応じた接し方にするとか、キャラクターにお茶目な部分を加えてみるとか。若いうちは試行錯誤しながらやったほうがいいと思います。
「上司(相手)を変えることは難しいのだけど、自分を変えていくことは自分が努力することでできる」当たり前だけどとっても大切なことなんです。PAGE TOP
Q.自分が決めてきた人生
昔から自分はあまのじゃくなところがある。こうしなくてはいけないという習慣・風習があっても素直に従わなくて、自分自身でいつも決断してきた。口癖は「それは誰が決めたの?」です。名前も分からないような人が決めたことに無意識に従わなければならないことが実は多すぎる。私はそういうことにこだわりはないのです。
柔軟性といえば聞こえはいいが、環境がそう育てたのかもしれない。必要に迫られてそうしてきたのだと思う。高校進学のときから方向を自分が決めていました。大学も自分で決めて東京に出てきた。毎日がきつかったですね。貯金もしなくてはいけないし、月々の生活費も稼がなくてはいけなかった。
お金のないときには1週間3食寝泊まり付の工事現場で、短期に稼いで、終わったら、アパートに戻り学校に通っていました。でも人に言われてしたことではありませんでした。PAGE TOP
Q.これからの目標
素人の域を超えてないけど、他の会社の人事ではできないこと、新しい教育のしかたの創出や人事制度も変えていきたい。事業戦略を担っているのは人事である、というくらい人事の立ち位置を確立したいです。人事領域でのスペシャリストをめざしていきます。ただ、若いころに戻れるなら技術者になってみたいですね。面白そうだと思います。新しい組み合わせを常に考えて、そこに集中できるわけなので、そんな世界にも憧れます。PAGE TOP
Q.若手社員へのメッセージ
甲田修三 氏若いといっても社会人は、いい大人。学びたいと思ったら学ぶ手段は多くあるのだから、積極的に自分で動いて欲しい。会社のせいだと思うとそれだけになる。自分のせいだと思えばどんどん変化もしていける。すべては自己責任ですね。生き方、仕事のしかた、誰のせいにもしないということです。自分のせいだと思うと行動が変わる。これは私の人生哲学です。PAGE TOP