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第4章 言葉にして「想い」を明確に伝える【5】部下への愛情を伝える叱り方

部下指導で叱る時の5つの注意点

ハラスメントの意識が高まり、部下や後輩を叱ることができず、踏み込んだ行動修正の指導に至らないことがあります。もちろん、叱るようなことがなければ一番ですが、指示や指導の中で「怒り」と「叱り」が混ざってしまっていないか、振り返って考えていただければ幸いです。

目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本
第4章 言葉にして「想い」を明確に伝える【5】
「部下への愛情を伝える叱り方」

部下への愛情を伝える叱り方

あなたは、「叱る」と「怒る」の違いを理解していますか?
管理職の中には、部下のミスに対して怒鳴り散らす人がいます。本人は、部下を「叱っている」つもり。でも、自分の感情を爆発させるのは、単にストレスを解消しているだけ。ただの「怒り」にすぎません。

「叱り」と「怒り」を分けるポイントは、2つあります。

叱りと怒り

「叱り」と「怒り」を分ける1つ目のポイントは、理性的に相手の行為を正そうとしているかという点。

例えば部下が報告を怠り、それが原因でミスを起こしたとしましょう。このとき、まずは報告しなかったという行為そのものを問題にすべきです。そして、それによって周囲にどんな迷惑をかけたか、こまめに報告することでどんなメリットがあるか、などを論理的に話し、部下を説得できれば、きちんと「叱れた」と言えるでしょう。

一方、「何やってるんだ、このバカ!」のように、論拠を示さず怒鳴りつけるのが「怒り」なのです。中でも最悪なのが人格否定。「だからお前はダメなんだ!」などと、部下の存在そのものを否定するようなセリフを吐いたら、その部下はすぐに心を閉ざし、上司の助言を一切聞かなくなるでしょう。

「叱り」と「怒り」を分ける2つ目のポイントは、愛情の有無です。

相手のため、行動をいい方向に変えていきたいという思いがあれば、それは「叱り」 になります。

上司から一切の愛情を感じられない状態で指導されたら、あなたはどう感じますか? おそらく、「がんばって行動を変えてみよう」と前向きになることはないでしょう。激しく落ち込むか、腹を立てるかどちらかだと思います。そして、意固地になって行動は変えない。きっと、そんなところではないでしょうか。逆に、「この上司は、私のことを思って注意してくれているな」と思えれば、相手の言葉も素直に聴けるはずです。

ここで参考にしたいのが、パナソニックの創業者・松下幸之助さんの叱り方です。

松下さんは部下を叱る前に、よく「君ともあろうものが」と前置きしていたと言います。相手に対し、強く期待していることをきちんと伝えてから注意をしていたわけです。

すると相手は、「私は期待されている。よし、がんばって変えなきゃ!」と思える。こういう叱り方が、一番いいのです。

そう言えば、「俺にもっとほめさせろ!」と言ってから叱る人もいました。お前はもっとできるんだから、もっとほめさせろ、今回のような失敗は繰り返すな、と伝えているわけです。こういう叱り方も、愛情があって面白いですよね。

なお、叱るときには5つの注意点があります。

どれだろう

  • 自分の言葉で叱ること。
    「俺はいいけど、部長がダメだって言ってたぞ」などのように、人の意見を元にして叱るのは逆効果になります。
  • 過去をさかのぼらない。
    「あのとき、~だっただろう」と昔のことを注意されても、叱られた側は忘れていて効果がないことが多いものです。気になることがあったら、そのときに注意しましょう。
  • 短く叱ること。
    叱るという行為は、相手の行動をいい方向に修正することです。でも、長い時間叱っていると、行動をよくするための指摘がぼやけてしまいます。また、相手は叱られている間にげんなりしてしまい、行動を変えようというパワーが失われてしまいます。
  • 人と比べない。
    「○○に比べて、お前は……」という叱り方は、相手に愛情が伝わりません。その結果、指導の効果も上がらないのです。
  • 相手が深く反省しているときは、強く叱らない。
    しっかり反省できているのに、さらに追い打ちをかけると、かえって逆効果です。これから注意しろよ、くらいにとどめておきましょう。

これらの点を意識すれば、部下のやる気を引き出しながら行動を修正する、正しい「叱り方」ができるはずです。

POINT やる気を引き出す叱り方をする

 

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部下への期待をきちんと伝える
第4章 言葉にして「想い」を明確に伝える【6】

 

この記事は、2014年発刊の大林伸安・著である書籍「目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと (アスカビジネス) 」を基に、メールマガジン「ノビテク通信」向けに再編集、配信した「目標達成し続けるリーダーの「部下」を育てる7つの基本」です。内容や名称、肩書きなどは当時のままとなっておりますことご了承ください。

著者:大林伸安(おおばやしのぶやす)

大林伸安

株式会社ノビテク 代表取締役
教育担当者支援マガジン NOBETECH MAGAZINE 発行人
英国国立ウェールズ大学大学院経営学修士(MBA) 、アクションラーニング学習コーチ。

教育研修事業、講演事業、情報発信事業など人材育成に関わる事業を展開する。日本一の規模の研修実施プロジェクトを講師側総責任者としてプロデュースし、完遂させた実績を持つ。競合会社の経営者が集う「研修業界経営者サミット」では、業界のリーダーたちと研修業界の未来を一緒に考える。

著書:
『仕事が楽しくなる!25のルール』 ダイヤモンド社
『目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」 に変える7つのこと』 明日香出版

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投稿by 株式会社ノビテク編集部
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