毎年ノビテクでは新入社員研修を担当した講師に「新入社員の傾向」についてのアンケートを実施し、その結果を発表しています。結果から見えてきた「今年度(2025年度)の新入社員の傾向」をご紹介します。
本レポートが2025年度新入社員研修の振り返り、そして来年度の実施に向けた参考になれば幸いです。
アンケート回答結果を簡潔にまとめています。
「強み」ベスト5 : 「協調性」 」 「規律性(ルール遵守)」 「傾聴力」 「達成意欲」 「時間管理」
「弱み」ベスト5 : 「主体性」 「働きかけ力」 「考え抜く力・チャレンジ意欲・発信力」
「社会人基礎力(http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/)」を参考に20項目準備し、強みと弱みをそれぞれ5個回答。
講師から見て評価できる取り組み方、傾向であるものを「プラス評価」とし、青字で記した。一方評価できない取り組み方、傾向であるものを「マイナス評価」とし、赤字で記した。また、これまでは講師は「マイナス」だと評価していたが、新たな捉え方をしたほうが良い面について黄色で記した。これらについては次に説明を記載する。
3ケ年度の比較では、 「15_協調性」「18_規律性」「14_傾聴力」が必ずベスト5に入っている。「協調性」「規律性」は本調査を始めた2019年から常にベスト3に入っており、企業にて、ルールを遵守し周囲と協働できることを重視して採用していることも考えられる。
今年度は「12_達成意欲」が初めてベスト5に挙がった。指示に対して素直に従い、達成しようとする姿勢は強みと言える。しかし、ある程度できるとそれで安心してしまい、より良い成果を追求する姿勢は見られなかったので、現場で磨いていく点であることを加えておく。
3ケ年度の比較では、ベスト5の項目はほぼ変わらない。
多くの企業が「弱みベスト5」に挙がっている項目、特に「4_主体性」の発揮を求めるが、残念ながら新入社員が発揮する場面が見られない。新入社員は自ら動くよりも周囲の様子を伺ってから動く傾向があり、主体性について「弱み」であると回答していると思われる。
「13_発信力」は毎年弱みの上位に上がるが、グループワークでは発言できているが、クラス全体になると発言が出ない。目立ちたくない・・・、自分でなくても・・・、自信がない(間違っていたらどうしよう)・・・等、様々な理由が考えられるが、講師から発言をする意義を伝えても改善されず、毎年講師が苦労している点である。
今回のアンケート結果を鑑み、新人の特徴と対応方法について、次のようにご提案いたします。
前段でも触れましたが、新人の職場における義務や責任への意識が変化してきており、彼らが上司や先輩が思うような考え方や行動を取るとは限りません。
まずは職場のルールを丁寧に説明してあげてください。
また快く思わない、違和感があるような言動に接したら頭ごなしに否定するのではなく、新人の意見を聞いたうえで、「こうしてほしい。」ということを丁寧に、自信を持って説明してください。新人にとっては理不尽に思う内容もあるかもしれませんが、丁寧に自信を持って説明することが新人の納得感につながります。さらに新人に説明したことを職場で共有すると、職場全体の規範意識を高めることにもつながります。
まずはやらせてみる、という指導方針を伺うことがありますが、新人にとっては「教えてくれない、だからできないのは当たり前」という考え方に繋がります。新人の特性である「真面目で素直」を活かすために、次のような指導の仕方をお勧めします。
①目的や仕事の進め方も含めて丁寧に指示を伝える。その際、報告・相談のタイミングやその方法についても決める。
②仕事ぶりをよく観察する。
③報告が来たら、報告内容と観察結果に基づいてフィードバック(ほめる、改善への指摘)を行う。
職場では必要最低限の業務をこなし、出世は目指さない、という「静かな退職」が話題です。新人の世代はプライベートを大事にする世代でもあり、些細なきっかけで「静かな退職」に傾くことが予想されます。しかし、職場全体が新人に関心を持ち、上記のような指導を繰り返すことで、「ここで働こう、ここでもっと頑張ろう」と思ってもらうことができ、早期の戦力化につながることも期待できます。
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