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2023年度もノビテクは、多くの新入社員研修を実施しました。その実施後に、2023年度の新入社員研修を担当した講師へアンケートを取り、講師から見た「新入社員の傾向」をまとめましたので、ご紹介します。
2023年度 新入社員研修の振り返り、そして、来年度実施の参考になれば幸いです。
アンケート回答結果を簡潔にまとめています。
以前から新入社員研修は集合(対面)で行いたい、との声を多数いただいており、今年度は集合研修が全体の約85%を占めるまでとなりました。コロナ禍でオンライン研修が全体を占めていた2020年度~2022年度と今年度を比較しても傾向は大きく変わりません。しかし、その中でも以下2点の弱みが顕在化しました。
①「弱み」に「ビジネスマナー」が挙げられた
対面で人に会うことに慣れていないせいか、第一印象や挨拶に戸惑いが見られる。
②「特性のマイナス面」で「声が小さく聞き取りづらい」が挙げられた
相手に伝わるような話し方以前に、口先だけでモゴモゴと話す傾向がある。
これらは、対面コミュニケーションが少なかったことの影響と考えられます。
今年度の新入社員研修では、多くの新人が楽しそうに同期と話している姿が印象的でした。特に休憩や昼食時にさりげない会話を交わすことが同期との関係性を構築するのに重要だと、改めて確認できました。よって、上記に挙げた「第一印象や挨拶の戸惑い」「口先だけでモゴモゴと話す」は、対面でのコミュニケーションに慣れれば解消されていくのではないかと考えます。
「社会人基礎力(http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/)」、「職務遂行のための基本的能力(http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/syokunou/)」を参考に質問を20項目準備し、新入社員研修を担当した講師に「強み」と「弱み」をそれぞれ5個回答いただきました。
「チャレンジ意欲」が強み・弱みの両方でベスト5に入りました。
新入社員の特性を自由回答でいただき、強み・弱みの項目に合わせて上記の表に整理しました。
プラス評価の特性で「主体性」に関する回答が多く、成長意欲が高い評価。その一方で、指示待ちの姿勢が目立ち、「主体性が弱み」であるという評価になりました。
また別のプラス評価では「指示への達成力・達成意欲が高い」とあります。一方でマイナス評価に「指示以上のことをしようとしない」とあります。勘案すると「言われればやります」という姿勢につながっていると考えられます。実際に、報連相の課題を考えてもらった時に、自責の姿勢でできることを考えるよりも「上司が適切な指示を出すべき」だと考える新人もおり、受け身ではなく主体的に仕事に取り組むことへの具体的な促しが必要だと考えます。
グループ活動にて、仲間への仕事の進め方の助言や気遣いを行いながら課題達成に取り組むことに慣れており、「協調性」が強みであるという評価になりました。
3ケ年度の比較では、ベスト3の項目は変わりません。特記として、今年度は「チャレンジ意欲」が初めてベスト5に挙がりました。
「チャレンジ意欲」は強みと弱みのどちらの側面にも現れています。強みの面では「新しいことを吸収するのに貪欲」であること、一方の弱みの面では「仕事における課題へのチャレンジ」という点が不足しているとの指摘です。
3ケ年度の比較では、ベスト5の項目はほぼ変わりません。今年度は「ビジネスマナー」が初めてベスト5に挙がりました。
多くの企業が採用時に「主体性」「論理的思考(考え抜く力)」「チャレンジ意欲」を求めますが、残念ながら新入社員が研修の中で発揮する場面は見られず、むしろ講師は「弱み」であると認識しています。
「強み」「弱み」について、2019年度(コロナ禍前)の結果との比較では、上位に挙がる項目に変わりはありません。
特記として「発信力」を挙げます。コロナ禍前の2019年度は弱みのベスト5に入っていますが、2023年度は入っていません。
対面よりもオンラインの方が発信しやすい方(発信への抵抗感が薄れる、口頭よりもテキストでの発信が得意)が一定数おり、オンライン研修では発信力について問題がなかったことが一因だと考えられます。一方でグループワークでは良く発言するが、クラス全体になると発言しない傾向は、コロナ禍前と変わりはありませんでした。
今回のアンケート結果を鑑み、新人の特徴と対応方法について、次のようにご提案いたします。
この特徴を生かすため、次のような仕事の与え方が必要です。
1.指示を、目的やその理由も含めて丁寧に伝える。その仕事の成果物見本があれば提示し、報告・相談のタイミングについても決める。
2.仕事ぶりをよく観察する。
3.報告されたら、報告内容と観察結果に基づいてフィードバック(ほめる、改善への指摘)をする。
「新人からの相談を待っているが、なかなか相談してこない」とよく聞きます。しかし、新人にとって相談は高いハードルです。なぜなら他者に迷惑をかけることを恐れ、かつ、できない人間だと思われたくないからです。最初は周囲が声をかけて相談できる機会を作り、徐々に自分から相談できるように段階を踏みましょう。
ホワイトすぎて会社を辞める、といった話を聞くようになりました。新人と定期的に話をし、状況を把握したうえで、あえてチャレンジングな課題を与える有効性を認識しましょう。
課題を与える際に、新人への期待も伝えてください。そうすることで新人のモチベーションが上がり、向上心を発揮してくれます。
また、デジタル技術については新人の方が詳しいかもしれません。新人が詳しい分野について積極的に意見を求めると、新人は「役に立っている」と感じ、自己効力感が高まると同時に、職場へのロイヤリティが生まれることも期待できます。
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