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2010年03月04日
ノビテクの『やれる気講師』の五十嵐潤子講師を紹介します!

プロフィール
コンサルティング会社に入社後、企業、医療機関を対象に、営業、研修プログラムの企画、講師を担当。現在、OFFICE WATARI(渡利潤子コーチ事務所)を主宰。講師、ビジネスコーチとして活動中。著書に、「コーチわたりんの魔法の対話」(文芸社ビジュアルアート)がある。
新人教育における動機づけ ―何のために仕事をするのか?―
「A君、そもそも何のために仕事をするの?」
この質問は、以前ある企業の新人研修で、論理的思考、ブレイクスルー思考を理解してもらうときに、A君に投げかけた問いです。
「そうですねー、やっぱり経済的に自立したいですから。」
「そう、経済的に自立したいんだ。ところで、経済的に自立したいのは何のため?」
「経済的に自立して、社会人として一人前の仕事がしたいからだと思います。」
「なるほど。じゃあ、一人前の仕事をしたいのは何のため?」
「そうですね…一人前の仕事をして、早く周りの人の役に立ちたいんです。」
ここまで来ると、この講師、どこまで質問してくるんだとA君の苛立ちの様子が見えてきます。しかし、ここで訊くことを止めません。なぜなら、仕事をする動機や目的が、彼自身の内面から、本心から、言葉として出てきていないからです。そして、更に問いを続けます。
「周りの人の役に立ちたいと思うのは、何のため?」
「えー、そうですねー、周りの人の役に立ったら、笑顔が見られるからですかねぇ。」
「そう、周りの人の役に立って、笑顔が見たいんだ。ところでA君、私が言った最初の質問覚えている?」
「何のために仕事をするか、でしたよね?」
「そう、そのとおり。今までA君の話を聴いていて思ったんだけど、A君の仕事の目的って、周りの人の笑顔が見たいから、仕事をするんじゃないの?」
A君は考え込むように、しばらく沈黙していました。
「じゃあ、質問を変えてみるね。ここまで話してみて、何か気づいたことはあった?」
「実は正直、自分から『笑顔』なんていう言葉が出てくるとは思っていませんでした。仕事って、眉間にしわ寄せて、真面目に仕事しないといけないのかなぁって、思っていたんです。」
「そうかぁ。でもA君、私はね、周りの人の笑顔を見たいから仕事するって、素敵なことだと思ったんだけど…。クラスの皆さんは、どう思った?」
そう投げかけると、ほとんどの人が「A君らしいなぁ」という表情でうなずいています。A君だけが気づいていなかった様子が伝わってきました。
「A君、クラスの皆がうんうんって、うなずいているよ。周りをよく見てごらん。」
A君は、ゆっくりと周りを見渡しました。そこには皆の優しい笑みがありました。A君は、ちょっと驚いたように、でも照れを隠しながら、うれしそうな表情になりました。
既にお気づきかと思います。「何のために仕事をするのか?」という問いかけに対して、A君の中でブレイクスルー思考が起きたのです。
新人教育の場合、「何のために仕事をするのか?」このテーマに光を当て掘り下げることが、大変重要なポイントだと思っています。なぜなら、この内面から湧き出てくる動機づけがハッキリしていないと、どのような内容の教育をしても効果は半減してしまうからです。
さてA君、今、周りの人の笑顔のために仕事をしていますか?あなたなりの歩みで、少しずつ実践していると想像しながら…。
投稿by ノビテクBlog管理人